日本脳神経外科同時通訳団について

Simultaneous Interpreters Group in Neurosurgery(SIGNS)


 「グローバル化」の一端でしょうか、日本循環器学会などは数年前から、総会の公用語を英語としています(日本語不可ではないようです)。

 一方で
「国際学会はさておき、演者も聴衆もほとんどが日本人の学会で、発表や討論すべてを英語で行うことは現実的でない」という意見も根強くあります。さりとて、はるばる呼び寄せた招待演者を日本語の海の中に放り込むだけでは失礼ですし、せっかくの人材を有効活用できているとも言えません。

 わが国の脳神経外科には、会員有志による「同時通訳団」というコミュニティ(日本脳神経外科同時通訳団―アジアをリードする日本医学界からの発信. 脳神経外科33:505-514, 2005)があり、主としてシンポジウムなどで日→英の同時通訳を担当しています。レシーバーをつけたシンポジストやフロアの招待演者は、日本の演者の日本語の発表のあとにも自由にディスカッションに参加することができ、実り多い時間を共有しています。


 私たちは同時通訳者としてはアマチュアですが、プロの脳神経外科医であり、プレゼンターが何を言いたいかを(ほぼ)瞬時に理解し、英語に変換することが可能(なはず)です。毎年の研修会でコツやピットフォールをお互いに共有し、合理的でスマートな通訳を目指す一方で、通訳しやすいプレゼンテーションはすなわち、誰にも理解されやすい良質のものである、ということを実感しています。

 

 今回も、JNEFに併せて同時通訳研修会を行います。多くの皆様が trainee として参加され、モチベーションを高めてくださるよう願っています。